iDoRuGiの小説黙示録

オリジナル小説を作成中につき、興味があったら気軽に見て欲しいのである!!

1.人の趣味を馬鹿にするなら、初めから聞かないでよ。

今、僕の中で興味の中心にあるのは【呪物】だ。
呪いと言う見えない意志とはまた異なり、
何かしらの物体にその不可視な意思が宿った物。 

 太古から様々な曰く憑きの代物が存在しているのを知っているだろうか。
安易に思い浮かぶとすれば、大抵が武器の類だろうか。
呪いの剣、呪いの槍さらにマイナーなところだと呪いの暗器なんて物もあったりする。

 武器に関しては多くの人を殺めていたり、
特定の条件を長期に渡り繰り返していくことで年月を経て呪いの○○と称される。一部例外もあるけれど……

 

 日本人だと剣よりは、やはり刀が主になってくるのだろうけど、人によっては、
妖刀はまた別ベクトルの存在だと言われたり、呪物の派生(亜種)の様な物と
主張している人もいるみたいだから議論の分かれるところ。

 しかし、この世に存在する呪物がすべて武器や凶器だったりする訳じゃない。
呪われた鎧もよく聞くし、それこそ呪いの仮面や呪いの首枷なんて物で
「殺戮を繰り返した」なんて話は聞かない。

仮面で直接的に人を殺めるなんて骨が折れそうだ……

そういった物は大概が、人知の及ばない儀式の生贄と称して罪のない存在だったりに
拷問を繰り返し、その殆どが最後には死に絶える。

それが何年も何十年も何百年も続き、その度に特定の同じ仮面をつけて儀式をし、
生贄を同じ首枷につないでいれば、その生贄にされた者の呪詛はそういった周囲の物で最も意識しやすい物に蓄積されるのだろう。

「逃げ出したい」と強く思うが、それを阻む首枷が「憎い」と繋がってゆく。

死ぬ間際に視界に移った相手の顔が、
自分を嘲笑う様な醜い仮面だったらさぞ不快だろう。
何せ、恨むべく相手の素性が判らないのだ。
末代まで祟ることすらできなければ、心中蠢く不情はどこへ向ければ良いのか。

 

 もちろん呪物と言っても程度の差は区々の様だ。
持ち主に小規模の不運を齎す物。例えば、
順番待ちをしていたら毎回自分の前で売り切れになって手に入らなかったり。

やっと手に入れたものが毎度不良品ばかりだったり。
得てして、そう言ったショボい物は逆に稀なのではないかと思うほどに少なく、
それ自体が呪物であることに気付かないことが殆どか、
もしくは自分の持ってる物の何が呪物か解らないことが多い。

 

逆に酷いものでは所有者のみならず、その周囲を巻き込んだり。
所有者との繋がりがある全てを脅かす代物もある。
更には、所有者が死ぬまで手放すことができなかったり、
呪物にその精神を狂わされたりと不可解な事件事故が逸話という形や噂や伝承として残っているのである。

 

 僕が呪物に興味を持ったきっかけがある、

結構前から秘かに囁かれていた『噂』があった。